消化器内科・検査
消化器内科・検査
消化器内科では主に食べ物が通る管(口、食道、胃、小腸、大腸)や肝臓、胆のう、すい臓などの病気に関する専門的な診療を行っております。
次の症状がある方はご相談ください。
症状・・・胃もたれ、みぞおち・胸の痛み、のどのつかえ感、長引く咳など。
胃酸が関与し様々な症状がでる状態で食事指導や禁煙指導、ダイエットなどを進めることで改善することもあります。内服薬としては胃酸を抑える制酸剤などを使用します。
症状・・・心窩部痛、黒色便、胸やけ、貧血
潰瘍とは皮膚や粘膜の一部が深く傷つき、えぐれてしまう状態のことを言います。ひどい場合は組織や臓器に孔があくこともあります。粘膜に炎症が度重なることで潰瘍が形成されています。
胃潰瘍の場合は腹痛が食事中から食後に起こることが多く、十二指腸潰瘍では空腹時に痛みが増強しやすいという特徴があります。
原因としては非ステロイド系鎮痛薬(NSAIDs)の長期服用やヘリコバクター・ピロリ菌の感染などが関係しています。
症状・・・胃もたれ、胃痛、早期飽満感、
症状が慢性的に続いているのに血液検査や上部内視鏡(胃カメラ)など検査を行っても
異常が認められない場合、機能性ディスペプシアと診断されることが多いです。
ストレスや食生活の乱れが原因で起こると言われています。内服薬としては消化管運動機能改善薬と酸分泌抑制薬などを使用します。生活習慣の改善や食事療法でも改善効果があります。
症状・・・上腹部の痛みや不快感、消化不良
ピロリ菌は胃粘膜に生息する細菌のひとつであり、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、萎縮性胃炎を引き起こす原因になります。年齢が高い方ほどピロリ菌に感染している率が高く、60歳代以上の方の80%以上が感染していると言われています。
ピロリ菌を調べる検査には内視鏡を使う方法と内視鏡を使わない方法があります。
①迅速ウレアーゼ試験 ②鏡検法 ③培養法
①抗体測定 ②尿素呼気試験 ③便中抗原測定
これらのうち、いずれかを用いて検査をしますが複数の検査をすることでより確かに判定できます。
当院では主に迅速ウレアーゼ試験と尿素呼気試験などを用いて検査をします。
ピロリ菌に感染していたら抗菌薬で治療をします。胃酸分泌を抑える薬と2種類の抗菌薬を7日間続けて服用します。飲まなかったり飲み忘れると除菌成功率が下がったり耐性菌(抗生物質が効かない菌)が生まれる原因にもなるので指示どおりに服用してください。
治療終了から5週間以上経過してから再検査を行います。結果が陰性であれば除菌成功です。一次で除菌できなければ二次除菌をおこないます。
除菌することにより胃潰瘍や十二指腸潰瘍の再発が抑制されると同時に胃がんの予防になると言われています。
症状・・・排便により改善する腹痛、便通異常(下痢、便秘)
検査を行っても炎症や潰瘍などは認められないにもかかわらず、下痢や便秘、腹痛、腹部膨満感などの下腹部の不快な症状が起こり慢性的に持続するものをいいます。20~40歳代に多くみられます。明らかな原因はいまだ不明ですが大腸や小腸など消化管の運動異常や知覚過敏、精神的なストレス等が関係しているとされ、複数の要因が組み合わさることで発症すると考えられています。内服薬としては抗コリン薬、止痢剤(下痢止め)、緩下剤などを使用します。
症状・・・下痢、血便、持続的な腹痛、発熱
大腸の粘膜に潰瘍やびらん(ただれる)などの慢性的な炎症が起こる病気で、若年者に発症することが多いです。原因ははっきりと分かっていませんが遺伝的な要因と免疫異常が関与していると考えられています。重症化すると十分な栄養吸収ができず体重が減少したり、炎症部分からの出血により貧血となったりすることもあります。炎症が広範囲にわたっている症例や、長期にわたって罹患している症例では大腸がんを発症するリスクが高くなります。内視鏡などにより診断し治療を開始していきます。
内服薬としては5-ASA製剤、ステロイド剤などを中心に使用します。これらで病気のコントロールがうまくいかない場合は免疫調節剤や生物学的製剤を組み合わせて治療する必要があります。内科的治療で効果がなければ外科的治療を行います。
潰瘍性大腸炎は厚生労働省で医療費助成制度の対象となる「指定難病」の一つです。
症状・・・繰り返す下痢や腹痛、発熱、全身倦怠感、痔瘻、肛門周囲膿瘍
口腔内から肛門などにいたる消化管に慢性的な炎症や潰瘍を引き起こし、下痢、腹痛などの腹部症状をきたす病気です。炎症が起こりやすい部位は小腸や大腸があります。
10代後半~20代の若年者に多く男性と女性の患者比は2:1で男性の方がかかりやすい病気です。明らかな原因は分っていませんが遺伝的な要因と食事や腸内細菌などの環境的な要因に免疫異常が生じ病気が発症、持続すると考えられています。また合併症として穿孔(腸に穴があく)、狭窄(腸管が細くなる)、膿瘍(膿がたまる袋)などができると手術が必要になることがあります。
治療としては、栄養療法、5-ASA製剤、ステロイド剤などを中心に使用します。これらで病気のコントロールがうまくいかない場合は免疫調節剤や生物学的製剤を組み合わせて治療する必要があります。
クローン病は厚生労働省で医療費助成制度の対象となる「指定難病」の一つです。